6月に入りました。
気候的には気持ちの良い日が続きます。
バイクで走るにはちょうど良いです。
もうちょっと長く、このような季節が、続けば良いのですが。
しかし、
もうすぐ梅雨がやってきますね!
みなさんは、いかがお過ごしでしょうか?
それでは、数ヶ月前の
私の心を苦しめた
症例の話を・・・・・
↓さて、コチラが、今回の困った子。
黒ネコちゃんのクロちゃん。♂、1歳と5ヶ月。
そもそもはウチのお客さんのタ○ラさんが、
道に落ちてたこの子を(ガチ野良の子?)を保護してしまい→来院。
中型犬と大型犬を2頭も飼育しているので、
これ以上に頭数を増やすのは(経済的に)無理とのこと。☜ウソ!勝手に決めつけてスンマセン!本当はお金持ち・・・
これまた、
うちのお客さんで、タム○さんのご友人で、すでに猫ちゃんを飼っているカ○ウさんがこの子を、
里親として、育ててくれることに・・・。
私は、いつも言ってますが、猫の多頭飼育は基本反対なので(理由はご存じですね)、とても心配でした。
いくつかの検査をクリヤーし、先住のみいくん♂14歳との折り合いがどうなるか?心配があったのですが、みいくんがとっても優しい子だったので、2頭仲良く過ごしていました。
が・・・
先住のみいくんが、去年の年末から、癌を発症し、3ヶ月間闘病しましたが、残念ながら亡くなってしまいました。本当に優しくて良い子だったね。よく頑張りました。
癌と診断した時のカノ○さんの目に涙が浮かんでいたのが忘れられません。
飼い主の○ノウさんは、14年前にみいくんの去勢手術を希望されて初めてウチに来院。
その後、みいくんが尿路結石を患い、ずっと処方食をたべてもらってました。
カノ◎ さんとは、ワタシはそんなにお話をした事がなく、たまに受付でフードを買いに来てくれるのを拝見する程度、、、。
カノ○さんは 私の中では、ポーカーフェイスな感じがして、ちょっと苦手。あ〜あ、言うてもうた
よく言えばクールな印象!そんな女性が、涙を見せるなんて・・・
カノウさん、は本当にショックを受けられている様子で、、、、うーん、わわいそうでした。
ただ、2頭目のクロちゃんがいてくれたおかげで、かなり救われたとの事・・・。よくわかる〜!
私は、神様は信用してませんが、
かのうさんとクロちゃんが出会うのは運命だったような気がしてなりません!!!
その後、クロちゃん、は若いのに珍しく、下顎の臼歯のひとつが化膿してしまうことがありましたが(抜歯も考え中)、比較的に元気にしていたそうな・・・。
そんなクロちゃんが、
『数日前から嘔吐を繰り返し、今日は元気も食欲も無い』と来院!!!
私、
「あ〜、かのうさん、思い当たることはありませんかーっ?」
飼い主のK納さん
「えー、ありません!」
私、
「・・・・・・・・」
当院のお客さんならもう、お分かりDEATHねーっ!
さあ、一緒に大声でー!
「じゃあ、クロちゃんが、いらんもん、舐めたり、そ、そそそそそして、食べたらイカン物を食べたりしてないですよねーっ!」
飼い主のK納さん
「食べてないです〜。」
私、
「ほ、ホンマですか〜!、普段から、色んなものをかじったりする子じゃないですか〜?」
飼い主のK納さん
「いろんな物をかじったりする子じゃないし、危ないものはおいてませんー!」
私、
「・・・・・・・・」
私の長年の経験で、私の『 子犬・子猫の飼い方のお説教 』をこっぴどく聞かされてきた飼い主さんなので、ここまで私に問い詰められて、誤飲を完全否定する飼い主さんは 違うことが多いデス!↑これ重要!私のお客さんなので自信があるのです!
私、
「では、費用がかかりますが、血液検査をしますね。」
血液検査では、白血球の上昇は無く、電解質、肝臓、腎臓などの値は正常。ただし、血糖値が266mg/dlと高いのと、炎症の指標であるSAAが、86と高めでした。
この日は、点滴をして明日も必ず容態をお電話いただくということに・・・
そして、次の日、飼い主さんから、電話で。
「やっぱり、クロちゃんは元気が無く、緑色のモノを吐きましたー!!」
私、
「えぇぇぇ〜っ!み、みみみみみ みどり〜?」
Σ(ФωФ=ノ)ノ ミドリ〜
↑毎回、コレね!
毎回ですが、緑色といえば獣医領域?で思いつくのは、胎盤色素か胆汁ぐらい death〜!!
正式な学術的かつ、文献などがあるのかどうかは知りませんが、
私のクソみたいな経験では、胆汁?が嘔吐で出てくるときは、胆汁の排出される場所から下部の腸が何らかの原因で詰まっていることが多いのです!!!!決して悪魔が取り憑いたりでは・・・
クロちゃんには診察に来てもらうように指示。
で、診察時。
私、
「もう一度、飼い主である、おたくに質問デス!、この子が最近、いらないもんを食べたりしている可能性はないのですか?本当ですか? マジですか? 神に誓えますか?教えてください〜 海は死にますか ?山は死にますか?風はどうですか ?空もそうですか〜?」☜誰も知らんかな
飼い主さんのKANOさん
「ないと思うけど、えぇ〜、自信ないですぅ〜」
私、
「では費用がかかりますが、レントゲン検査と超音波検査をさせてください!」
で、コチラがクロちゃんのレントゲン写真ですが・・・
大腸に少し多めのガスがあるくらいで、特に異物の誤食を疑う所見は無く・・・
エコー検査では、一ヶ所に超音波を遮るイヤ〜な所見が認められますが・・・
その前後に腸閉塞に特徴的な液体の貯留がなく・・・もしかしてコレは、結腸の糞塊?
触診でも何かコレが異物のようにも思えるのだが、結腸内のただのウンコがさわれてるだけかも?
や、ヤバイ
うう、困った!
頭がクラクラする!
クロちゃんは、
全然元気もなく、食欲も全くないので、このままでは必ず死んでしまうようなヨカン。
誤食による腸閉塞っぽい気がするのですが、絶対の自信があるような検査所見なので、本当に苦しい選択に迫られます!!!もうイヤ
こんな時、飼い主さんが、
「そういえば、こんな物をかじってましたー」とか、
「これがなくなってますー」とか、言ってくれればいいのにっ!
さらに、動物がしゃべってくれたら超カンタンなのにっ!っておもうのですよっ!
もし、手術でお腹を開けて、異物が原因でなかったら、どうしよう?なんて謝ればいいのか・・・
なんていつも考えながら・・・
ここは試験的にお腹を開けて精査する『試験的開腹術』という便利な魔法のような術式名で逃げ道を用意して、飼い主様にお薦めします!
私、
「飼い主さん、ちがってたら申し訳ないですが、当たってたらこのままではクロちゃんは死んでしまいそうです」
「私は、異物の誤食による腸閉塞を強く疑っております」
「なので、試験的にお腹を手術で開けてみて、直接検査させてみていただけないでしょうか?」
加のうさん
「・・・お願いします」
手術の承諾を得ましたが、内心はドキドキです。
このあいだ、みいくんが亡くなったばっかりなのに、クロちゃんまで死んでしまったら・・・
飼い主の k納さん まで あまりのショックで・・・失礼
もし、お腹を開けて違ってたら、さらに死期を早めてしまうかも?
オレのせいで死んじゃったら?オレのせいではないのだけどね!
あぁ嫌だっ!に逃げ出したい!!!!!!
こんな仕事はもう嫌だー!!っていうのがいつもです!
でも、やらなければ、どうせクロちゃんは助からないのです!
で、緊急オペになりました!
で、
あった!!!
すぐに異物による腸閉塞を確認!
私、
ゴ
ゴゴゴゴゴオゴ〜
ゴルァー
の、ノノノのノンおおおおおおおおおおおおおおおおおお ←もう狂ってる!
飲み込んどるやんけ〜!!!!!!!!!!!!
∧,,∧
∩(`ω´.´) 💢コラー!
ヽ .O
| |
U⌒U
で、胃から大腸まで全ての腸を精査して、閉塞部位の切開→異物の摘出→切開部位を縫合して大網で包んで終了です。
で、摘出して出てきたものがコレ↓
う、ウンコ?
カッチカチで硬いDeath!!
↑(これは、非常に大切なものなので、捨ててしまわず、私のいつもの取り調べコースにまわされマス。)
で、手術は無事終わり、退院するまでがとても大事です!
私は、前にも書きましたが、消化管の手術後はなるべく3日は絶食っすることが多いのですが、
猫ちゃんや、幼弱な動物の場合は絶食による弊害もあるので(ここでは割愛)少し早めから、
食餌を投与しました。
↓こちらはもうドライフードを少量与えているので、退院前のクロちゃんです!
入院中にクロちゃんがしたウンコも大事な検査材料です!
糞便中に何かいらないものを食べたりしてないか、必ずチェックします!
なぜなら、一度こんな手術をする子は、また同じ過ちをくり返すから・・・・
何を好んで口にするかはとても重要なことDeath!
ウンコはウチの病院では、私が魂を込めて、流し台で丁寧に洗い、溶かして残渣を調べていきます!
時にはビニール手袋、時にはお箸を使って、ウンコを破砕、溶解していきます。
気分はもう一流の料理人!
私の中では、
四万十川料理学園講師 キャシィ塚本を想像しながら、いつもこの作業をやってます!マジです
若い人は知らんかな?今では放送できないですね!
私の狂気の部分が具現化されていて、共感してしまいます!
まさに私の頭の中はつねに、こんな感じなのです!!!一度動画を見てね!
結局、うんち の中には異物は見つかりませんでした。
チェッ
そして、クサすぎるので、
腸に詰まっていたモノは、キッチンハイターに漬け込んで数日たって、
慎重に精査します。
そして、クロちゃんを苦しめた原因がこちら↓
↓↓↓
こ、これはまさか
ビニール片!!
犬猫、野生動物もあるあるです!
のちに飼い主さんより、お家のどこのビニールなのか判明いたしました!
まあ、この子は生涯においてビニールを食べてしまう子と思って下さい。
ビニールなんて、何処にでもあります。
ケージ内で飼うか、部屋に一才のビニールを無くすか方法がありませんね!
ここで、
いつも猫の誤食による腸閉塞で思うのですが、猫の十二指腸は細いので、人間の人差し指くらいの太いモノはつまってしまします。
で、ここでウチのネコ達の吐いた毛玉をごらんあれ!
↓↓↓
今の時期、毛の生え変わりが多いのか、
こんな、太さの毛玉をほぼ2日に一回は誰かが吐いています〜。
床に吐いてくれればまだマシ、私の服の上や、靴の中に・・・。泣
↓↓↓ これは吐いた毛玉を洗ったモノ。
これより太い毛玉なんか何回も見たことあります。
何が言いたいのか?というと
猫の毛玉って、
実際は詰まって死んじゃうこともあるのかも?ってことです!
ネットで検索してみると猫が自分の毛玉で手術になった症例がよく載ってます。
私は長年、この仕事をしていますが、毛玉で手術は、経験がありません。
しかし、犬が人毛を食べている症例(珍しい)は経験があります!
なので、私からの提案ですが、
①ブラッシングの好きな子は、まめにブラシをしてやって下さい
②猫の草(稲科の植物)を育てて、こまめに与えて下さい。
ウチの猫の飼い主さんでも、あまり猫の草の事を知らない人も多いし、
飼い主様の中には、「猫の草を与えると吐くのでやめていますー!」って方もおられました。
え〜っ!
猫草は、
猫が毛玉を吐きやすくするために与えているのに〜 て事です。
確かに、お部屋が汚れて嫌になるのは分かりますが、猫ちゃんの健康のためには必要です。
まあ、猫草を食べたがらない子も多くいるとのことですが、歴代のウチのネコで猫草が嫌いな子はいなかったです。
そして、私が声を大にして言いたいのが・・・・・
猫ちゃんが猫草が欲しいのにどこにもなくて、
仕方なく、ビニールや、布を食べて死んでしまう子が絶対にいると思うのです!!
実際に、ビニールや布、不織布は何回も手術してます。
そんなお家にはきまって猫草がおいていませんでしたー!!!
ウチの病院では死なせませんが、高額な治療費がかかります!
クロちゃんのお家にも猫草がなかったそうな・・・
なので、いつものお説教をしてしまいました〜!スマン
そしたら、飼い主さんが我が家の猫にプレゼントとして、、、
猫の草の栽培セットをいただきました〜!嬉しい!!!
でも、無印良品にまで猫草って売ってるのですかー???
袋を破って、裏返して・・・
水を入れて、生えてくるのを数日待つだけ!超簡単!
ぜひ、愛猫家の皆さん、猫の草を与えてやって下さい!!!
私の持論では生後7ヶ月以降でね
実際には、市販の猫草は食べないが、屋外の雑草は食べたがる子がいますが、訳のわからん草は絶対に与えないで下さいね〜毒性のある草もあるし、消毒や除草剤がついてるかも⁉︎
ご自身で、イネ科の植物を色々と栽培してみるのもいいかもしれませんね!
まあ、今回の手術は術前の検査に確信が持てずに踏み切った手術だったので、
本当に寿命が縮みました!もうイヤ
結果オーライなので、ブログにしてますが、毎日いや〜な事も多いのです!
あ、クロネコちゃんといえば、私は一度も家族に迎えたことがありませんでしたね〜。
クロネコちゃん、てお目目だけがパチクリしてるのがなんとも言えず可愛いですですね〜!
でも、クロネコちゃんの手術って、いつも大変な選択を迫られているイメージしか・・・
バイクでお世話になっているバイク屋の社長の愛猫もクロネコちゃんだったなぁ。
名前もくろちゃん。ミイラ化した足を断脚せざるを得ないなんて・・・やりたくない
皆さん、
黒猫って何をイメージしますか?
黒猫のジジちゃん?
宅急便さん?
昭和生まれの
私の黒猫といえば、コレです。
↓↓↓
この歌自体を知らない現代人も多いのではないのでしょうか?
私の同年代から上の御仁は知ってますよね?
実は私が小学生低学年の頃だったと思います。
このうたの歌詞で
「僕の心を悩ませる〜♪」
〜を誰か思い出せないのだが、
友達だったか?、いや、親戚のお兄ちゃんだったか?う〜ん、思い出せん。
「僕のココロをかきむしる〜」と歌いながら両手で爪を立てて上手にカキカキしながら歌っている子がいて・・・
それから、私の中でこの歌のここの歌詞は「かきむしる〜!」になってしまってマス。
もう、今更に変えることは不可能です。このまま、墓場まで持っていきます!!!
そして、このしょうもないブログを見ている貴方、貴女!
あなた達にも同じ呪いを〜!!!
もう、この歌詞で歌って下さい。
散々、心をかきむしられましたが・・・
よかったね!
クロちゃん!
終わり