残暑お見舞い申し上げます。
っていうか、豪雨で西日本が大変ですね。
私は、今年のお盆も 特に予定もなく、雨ばかりで、
あまり夏を満喫できませんでした。
そして、自分のワンコがえらい事に!
もう、辛くて苦しい 10日間でした。
※お願い
(今回も、必ず深夜に見るように!)
そして、本気にしないでっ!
↑今回の患者は、我が家の愛犬『コットン』!
ウチの家では コッちゃん と呼ばれています。
マルチーズに間違われますが、トイプードルなんですよーっ! 直毛ですが・・・
実は・・・
この子のお父さんの『シルク』と、お母さんの『ウール』は、もうすでに亡くなっております。泣
シルクは享年19歳、ウールは享年15歳でした。号泣
さて、この子はシルクとウールの最初の子供で、長女になります。
今は亡き・・・シルク父さんにソックリです。
長女といっても、もうすぐ14歳になろうとするお婆ちゃん犬なのですが・・・
私ら家族にとっては、長女であり、お姉ちゃん犬なのです。そして娘のような存在。
あまえ上手ですし、いまだにしっかりしています。
コッちゃん が めでたく14歳 になる前日に、突然の食欲の廃絶、そして嘔吐!
そして震えながら、祈りのポーズ(腹部痛の折に犬がみせる姿勢、拝み姿勢とも言う)を何回も!
しかし、少しすると元気になり、食欲が無いくらいで、まあ、こんな事もたまにはあるかなぁ?くらいに思っておりました。 が・・・
次の日の誕生日にはやはり、食欲はもとより元気も少しなくなってきました。そしてゆるい便をしました。
なので、血液化学検査をを行ったところ、炎症の指標になるCRPと、胆導系の異常を表すことの多いALPの数値が軽度に上昇しておりましたが、その他の数値は全て正常!!!
う〜ん、ちょっと強めの下痢(腸炎)か〜?
念のため、抗生物質を注射してみましたが、よくならず・・・
次の日には、さらに具合が悪くなり、祈りのポーズを何回もするようになり!グッタリしていました。
若い犬なら異物を食べてしまっての腸閉塞を真っ先に疑ったりするのですが、もうこの子はそうゆ年齢ではないよね!しか〜し、高齢ゆえに消化管の腫瘍なんかも疑われます。
なので、もう一度血液検査を行うと、肝臓の酵素の数値がもの凄く高く、CRPもふり切っておりました。しかし、黄疸の数値は高くなく、白血球の数値も正常! なんじゃこれ!
やっぱり、子宮疾患と腫瘍疾患が怪しいなぁ と考え、腹部の超音波検査をすることに!
エコーで腹部を診て、第一印象が、
各臓器の周りの脂肪などの組織が白い〜っ!
これって、腹膜炎の時によく見られる所見だよね〜!知らんけど!
なので、真っ先に頭に浮かぶのが子宮蓄膿症(そして膿がお腹の中に漏れてるヤツ)、
コッちゃんも1ヶ月前に発情が終わった後の子宮なので、画像的には子宮内膜炎は疑わしい・・・
もしくは内膜炎(蓄膿)の子宮が破裂!←最悪!
あと、急性膵炎もかなり怪しいが、、、うーん
順番が逆になってしまったが、やはり肝臓周辺組織がイヤな予感・・・
そして、肝臓、胆嚢が・・・白い
ん?
胆嚢が見当たらん!
し、その場所にシャドーを引く硬い物体がーっっっっっっ!
これは?
胆石
かな?
↓こっちの方が分かりやすいかな?
胆石は
超音波よりもレントゲンの方がわかりやすいので、
念のためレントゲンを撮影しました!
お分かり頂けただだろうか・・・・
そこには この世に未練を残した少女の怨念が・・・
いや、冗談はさておき
今回のレントゲンではしっかり胆石らしき物が写っております!
5年前には存在していなかった・・・ハズ
拡大すると、
まるでコチラを睨むような・・・
二つの眼球にも見える・・・ような、見えないような・・・
もう、エエちゅうに!
そして、
今までの症状を総合的に考えると・・・
これって、まさか
胆嚢・・・破裂 じゃ・・・アワワッ
大変だ、
どうしよう!
胆嚢(たんのう)とは? ←かなり適当です!詳しくは自分で調べてね!
胆のうは、肝臓(かんぞう)で作られた胆汁(たんじゅう)を溜(た)めておくはたらきをしています。胆のうは、肝臓と十二指腸をつなぐ管の途中にあり、西洋梨(なし)のような形をしています。
胆汁は食べ物を消化するために必要な液体で、胆のうに溜(た)められている間に水分が吸いとられ、数倍に濃縮(のうしゅく)されます。
そして、食餌を摂取すると一気に?放出される・・・と思う。。。多分
人間では胆嚢の病気としては胆石が有名ですが、
犬では頻繁ではありませんが、稀に見つかる事があります。
コッちゃん の胆嚢結石がいつごろ形成されていたのかは不明です。少なくとも5年前には無かった!
胆石があるからといって、すぐに悪さをする事はないです。しかし、結石そのものが刺激や細菌の温床になりやすかったり、胆汁の流れを止めてしまう閉塞や、最悪は胆嚢破裂が起こる可能性があると思います。
でも犬では胆嚢粘液嚢腫による破裂しか経験がありませんでした。
さて、画像での診断では推測でしかありません。
時間の経過とともに、急速にコッちゃんの状態が悪化していきました。
とても苦しそう・・・
もう、数日も体がもたないのは明らかでした・・・
嫁に試験的な開腹手術を提案しましたが、
嫁が一番大事にしている娘の一人・・・。
私
「絶対の確証はないが、一か八か、コッちゃんのお腹を手術で開けて診てみたい・・・」
「かといって、開けても手がつけられかもしれない・・・」
「もし、いくつかの手術が必要になり、そして手術が成功しても、年齢的にも体力的にも、無理かも知んない・・・」
「一番の最悪は手術という余計な痛い思いをして亡くなってしまうかも?」
私が何かしらの手術をする場合、いつもこの事は飼い主様には伝えているつもりです
「どう?お腹を開けてみる?」
嫁
「嫌っ!」←即答!
え〜〜〜~っ!困
いつも嫁は手術には積極的な強気なニンゲンなのですが。コッちゃんは別かいな・・・
↑コッちゃんは、自宅の居間で点滴しながら内科療法をしておりましたが、
本当に刻一刻と状態が悪化していきました。
嫁も半日よく考えた末に、試験的開腹手術に同意してくれました。
しかーし!もしこの提案が間違いだった場合、、、そして手術などが上手くいかなった場合、、、
半年は口を聞いてくれない予感!!!←マジDEATH!! そして、最悪、離婚・・・ガクブル
予期せぬ、場合に備えて、手術器具を多めに用意し、診察の終わった夜中に、手術を行うことに。
執刀はもちろん私、助手は嫁、そして、麻酔やその他の雑用は次男で、家族で家族の手術を・・・。もう、家族全員、必死でした!
※ここから閲覧注意!セピアでお届け!
お腹を開けた途端、なんとなく腹膜炎の予感!
ここで、厄介なのは、コッちゃんが2Kgのトイプードルということで、何もかもが小さ過ぎて、非常にやりにくい!!!
案の定、胆嚢が破けて、各臓器が癒着ぎみ!!
ただし、肝臓が上手く癒着して胆嚢からの胆汁の流出を最少に抑えてくれてました!!!でもお腹は痛かっただろうね〜よく頑張ったね〜!
↑イメージ的には、こんなんだったけど、全体的に胆嚢の袋自体がボロボロっぽかったです!
慎重に胆石を摘出および吸引し、肝臓から胆嚢を剥がし、十二指腸に管が開通していることを確認して、胆嚢の上部の袋の部分を切除いたしました。割愛
↓コチラが胆石と切除した胆嚢!セピア色じゃないですゴメン!
↓こうして見ると、大小さまざまな大きさの胆石です。
成分分析はほとんどがカルシウムだそうで、、、。
特に食餌療法などの予防法はないかな・・・仕方ないちゅーことです
抗生剤は長めに投与します。
コッちゃんも手術によく耐えてくれましたが、術後の合併症が怖いので、
念のため、ICUで数日間は集中治療を行いました。
数日間を病院の入院室で過ごしましたが、意識がしっかりしてくると、
やっぱり家族なので、私や嫁を見ると入院室から出してちょうだい〜!と主張してくるようになりました。
なので、やっぱり2階の自宅の居間に点滴をつないだままケージに入れて療養してもらいました。
現在は食事も食べれるし、特に後遺症もなく経過しております。
抜糸はまだしてません。
弟たちと一緒に仲良く眠れています!
クドイようですが、全員トイプーなんですよ〜!笑
兄妹ですが、全員性格が違っておもしろいです。
ゴメン、トリミングにも行けてません。
エリちゃんは、よほどのことがない限り、他の子とはくっ付いては寝ません。
別格の女王のような・・・
本当に、気分的にしんどいお盆でしたが、まあ、なんとかなりそうなので、
一安心です。
さて、胆石についてですが、
私の家系(ニンゲンの話ね!)はみ〜んな胆嚢がありません⁉︎
その理由がやっぱり胆石が出来て、胆石が悪さをして、緊急入院。
結果として、胆嚢切除を行っているので胆嚢が無いと・・・
うちの親父の兄妹7人と私の姉の計8名は胆嚢切除しております!
これって、私も絶対・・・・。
あ、
また、変な妄想が、、、
私、数年前に人間ドックに行ったきり、コロナ禍で検診してなかったなぁ・・
その時は、胆石は無かったよなぁ・・・
胆石が詰まったりしたら痛いのかなぁ?
痛いのは嫌だなぁ!
ましてや、コッちゃんみたいに破裂したりするのかなぁ???
破裂といえば・・・
ア、アカン
変なこと想像してもーた!
ハート様!❤️
ワタシの体内の胆嚢のイメージです!
⇩⇩⇩
私の黙々とはたらく胆嚢が、
決して悪いことをしているわけではないのですが、
悪役です!
北◯柔破斬〜!
いつか、破裂してしまうのか〜?
ヒィイイイイ〜!怖っ!
破裂はせんじゃろう⁈たぶん
でも、
離婚になる方が百倍コワイです!
ほんとうに、よかったデス!
終わり!