あれ〜?
年が明けて、もう六月の半ば・・・。
もう。半年がたとうとシテマス。おかしいぞ!
忙しさのせいなのか、歳のせいなのか、記憶があまり、、、無い!もういいよ〜!歳のせいだよ〜多分。
ちょっぴり、時間ができたので、たまってたブログネタを小出ししていきますね。
さて、今年から狂犬病の予防注射をするために、各市町村を役場の方と一緒に巡回する、集合注射に駆り出されるようになりました。←こんなこと書くと、また怒られるな〜。
4〜5月は数日、病院を閉めてご迷惑をおかけしますが、ごめんなさい。
この集合注射、開業当初の数年間は、参加しておりましたが、訳あってここ15年間はしておりませんでした。
しかしながら、開業獣医師も高齢化が進んだのか、ベテランの獣医師の先輩方がリタイアされ、私のような下っ端が派遣されるハメにっ!←ワタシも立派な初老Death!!
そもそも、なぜこの集合注射から手を引いたかというと・・・。
理由その①
自分の病院を閉めていかなくてはならないこと。代診の先生がいないのでね…。トホホ
前もって、告知はしておりますが、集合注射を済ませて病院に帰ると、患者さんの列ができており、その光景を見るといつもクラクラっとめまいがします。
また、「あの日に来たのに病院閉まってたわヨ!」なんて言われたり!
「今日は午前中に一度来たのに〜。知らなかったわよ〜もうっ!」
なんてお叱りをうけることがたびたび…。 ハガキでお知らせしとるやん。
理由その②
集合注射に来られた飼い主さんに、
「先生はお若いですけど、どこで開業されてるの?私はいつもは、〇〇動物病院にかかっているのよっ!」
「あの病院はスゴイのよ〜」
「あなたみたいな頼りない先生で、ほんとに大丈夫〜?」←これは私の妄想デス。
「じゃあ、そこいけよっ」(#゚Д゚)ゴルァ!! ←心の叫びです
(今は、ジジイ化してるので若く見られることは、もう無い!)キッパリ!
暴れまくる犬とその飼い主さん
「去年の注射に来た時は、うちの子こんなに暴れなかったのに、今年の先生はどうしてこんなに暴れるのかしら〜?」
「そりゃ、毎年ここに来たら注射されるので、ワンコも覚えるちゅうんじゃい。」←心の中でっ!
お返しにオバさんにラリアットを食らわす!心の中でネ!!
その他、モロモロ嫌なことを言われること多数。
自分の病院ならもう来るなっ!!て言えるけど、公務なのでやられ放題。言われ放題。
心がただれ放題!
理由その③
毎年、飼い犬に噛まれる!ミイラ取りがミイラに、狂犬病予防のはずが、狂犬病に…!
都会の集合注射は、頭数も多いので数人の獣医師のグループで、診察台にワンちゃんを乗せてスマートに行われますが・・・。
ここ徳島はチガイマス。
まさに、野戦病院の様相!!!
犬どうしが威嚇し合って『ワンワン』『ウーッ』『ガルルル』
闘犬場みたいな集合場所も存在します。Σ(||゚Д゚)ヒィィィィ
気が立っているので、飼い主さんも咬まれるし、ちゃんと押さえていてくれないので、
ボクも咬まれる。
オマケに首輪がゆるい子は、首輪がすっぽ抜けて、そのまま逃走してしまったり、そのまま私に襲いかかって来たり・・・。
理由その④
毎年、一度は誤って、自分の手に注射してしまう! ※マジです。
だって、飼い主さんが、暴れるワンコをちゃんと押さえてくれないんだも〜ん!(泣)
暴れる犬(中型犬以上)の首輪を飼い主さんが持つ。
↓
それでも暴れるけど、私が注射部位である首のつけ根を消毒して左手でガッチリつかむ。
↓
右手で注射器を注射部位である首に近づける!
↓
はい、ワン公が暴れ出す! ←ワン公って・・・。ゴメン
↓
自分の左手にブスッ!!
ギャアァァァァ━━━━━(|||゚Д゚)━━━━━!!!!!!
大丈夫かな?オレ?
ミイラ取りが、ミカン狩りに・・・。?
今年も指に刺しちゃいました。
↓
やっぱり、集合注射いきたくな〜い!
狂犬病の予防接種は動物病院で受けようよ〜。
いろんな事故が起きてからでは遅いのよ〜。
と、いろいろ思うところがあり、集合注射から身を引いていたしだいです。
しかし、近くに動物病院がない山間部にお住いの方や、高齢の飼い主さんにはこの集合注射はやはり必要なのかな?
そもそも、この狂犬病の予防注射は、人間のためのものです。
もう日本には狂犬病ないから予防しなくても大丈夫だろう なんて話を聞きますが、、、
どうなんでしょう?
狂犬病は現在の日本では、ここ数十年間発生が認められていない人畜共通の感染症ですが、未だに世界中で、毎年5万人以上の死者を出しているウイルスです。
発症後の致死率はなんと、100%! Σ(||゚Д゚)ヒィィィィ
今流行りの、ゾンビやバンパイアなどは、感染動物の唾液から感染するこの伝播方式から、この狂犬病がもとになっていると思われます。
狂犬病ウイルスは、ヒトを含むほとんどの哺乳類に感染が可能で、海外では野生動物からも伝播されるので、動物が勝手に国境を越えるので非常に厄介です。
しかし、マンガのように、人が人を襲うことはありません。でも唾液はキケン。
日本は島国なので、この狂犬病予防法と野犬の捕獲の徹底で、世界でも珍しい狂犬病清浄国となりました。
外国からの犬の入国も、日本は大変きびしくなっております。
しかしながら、某国から日本にやって来る船の中には、”犬を乗せておくと船が転覆しない”
というジンクスがあるらしく、黙って犬を乗せて、日本でその犬が逃走・・・。なんてこともあるらしいです。
困ったことに、、、
今、日本で狂犬病の発症があっても、すぐに診断できる獣医さんは少ないと思います。
もう、日本には狂犬病の診断を下したことのある獣医はいないんじゃないかしらん。(生きてらしたら、失礼しました。)
私も、海外の報告例や、発症犬の症状を勉強したことがありますが、まるでジステンパーウイルスの感染犬みたいな脳症状ですね!正直わかんない。
その昔、獣医師会の勉強会の昼食に弁当が出されて、”狂犬病を発症した犬”や”発症してベッドに縛りつけられ、暴れる人間の子供”の映像を見せられて、弁当をもどしそうになったのを思い出します。映画のエクソシストそのまんまです。
かわいそうに、治療法はありません。
凶暴化した感染動物の唾液から感染るので、あっという間に大流行とはなりませんが、発症後の致死率が100%のウイルスは他にありません。
もし、日本で再び発症例が認められれば、報道でそら恐ろしい映像が流され、ペット業界を含め、日本全国がパニックになるのは目に見えております。
もしかしたら、保健所に捨てられる犬や猫が増えてしまうのではないかと心配しております。
私たち、獣医師は、その危険な病気が日本に再び入って来たときに、蔓延させないための大事な使命を持っているので、やっぱり頑張らなくてはいけないと思います!
集合注射はイヤなんて、もってのほか!そんなこと言う獣医はバカだ! スマーン。
話が脱線しますが、狂犬病といえば、私はこの映画を思い出します。
私が中学生くらいの時かな?
今はなき、徳島ホールで観た記憶が・・・。
知ってる人いるかな?
スティーブン・キング原作の恐怖映画で、可愛らしいセントバーナードのクジョーが、森でコウモリに噛まれて狂犬病になり、だんだん凶暴化して家族を襲うというリアリティーのある映画でした。
動物好きの私は、それまでセントバーナードはムツゴロウ王国の”ボス”や、
ハイジに登場する、カタツムリを食べる”ヨーゼフ”がイメージとしてありました。
しかし、この映画に出て来るセントバーナードの”クジョー”が最初は愛らしくてカワイイのですが、徐々に変貌を遂げ・・・。
こんな恐ろしい、人間を噛み殺していく殺人犬に!
この時点で私が狂犬病を知っていたか、映画の中で狂犬病と言ってたのかはよく覚えていませんが、
狂犬病コエーよ!オシッコちびっちゃったよ!という記憶が強烈に残っています。ウソです
冗談が過ぎましたが、狂犬病は本当に怖い病気です。
狂犬病の予防接種は、面倒ですが皆さんご協力お願いいたします。
まあ、上記のように
私は誤って、自分に狂犬病のワクチンを少量ずつですが、
接種しているので、(;´༎ຶД༎ຶ`)
ちょっと咬まれるくらいでは狂犬病にはならないかも???
それでは、また来週〜?終