もうお彼岸もすぎて、めっきり涼しくなってまいりました。
昔から、夏が終わると“チョッピリさみしい感じ”になるのは私だけではないと思うのですが
皆さんはどうですか?
私がセンチメンタルで変なオッサンだからデスカ?デスネ!
さて、本当なら夏まっ盛りの時期の症例ちゃんだったのですが…。
い,今頃になってもーた。
虫捕りの時期もおわってもーた!
タイトルにもヒネリをくわえておりまっス💦
今回の『こまったちゃん』←私が困っています は
F田さん家のクララちゃん。おとなしいコーギーの女の子♡
このクララちゃん、病院に連れてこられるのはご夫婦ですが、普段はご実家ですごされているとのこと。←ココ大事なので覚えておいてネ!
クララちゃんが、数週間前より、左目を“しょぼしょぼ”しており、眼も充血で目ヤニもでているを主訴として来院されました。
ここで、当院にこられている飼い主様なら、ご存知のはず!
『あっっ!これっていつもバカ大島が口をすっぱくして言ってるヤツやんけ〜』
『もう、同じ事を何回も!ほんとイヤだわ〜』
『汚らわしい。ふ、不潔なのよ〜』
↑自分で書いてて、なんかムカつくなあ
と思っていただけたら本望デス。ウソだ
そうです、私がいつも余計なおせっかいで熱弁するヤツです。
ワンコやニャンコが、片目もしくは両目を、『シパシパ、ショボショボ、おまけに前の手で眼の周りをこすったり…』←例えるなら私たちの眼に砂が入ったのを想像してみてください。
コレは,羞明とか眼瞼痙攣と呼ばれる立派な症状です。
この症状を半日以上しているなら、なるべく早く動物病院にいってくらはいっ!
個人的な見解ですが、1時間くらいで症状が落ち着く場合は、あまり心配ない事が多いですが、半日以上続くのはキケンです。角膜の損傷だったり、緑内障だったり、ぶどう膜炎だったりと緊急生の高い疾患が多いです!2〜3日後では手遅れもあります。
(手遅れになっちゃった、グチョグチョ、ゲロゲロの写真も豊富にとりそろえておりますが、ドン引きされることが予想されますので、割愛させていただきます。)(´ж`;)ゥ・・ゥップ
また脱線しちゃいましたが、クララちゃんは検査の結果、角膜に損傷が認められました。これを放置しておくと、ややこしいメカニズムにより、目玉に穴があいてしまい、ブドウが裂けるみたいに失明し、眼球を摘出しなければならなくなることも…オヴエッ!
しかし、クララちゃんは1ヶ月くらいこの症状があり、治療されていなかったのに、ちょっと、進行が急激に悪化してないのはなぜでしょう?異所性睫毛や類皮腫はチェック済みデス!
なんか、角膜の中心から時計で7時〜9時の方向にやや損傷があるのも気になるが・・・
犬も猫も、目頭にもう一つまぶたのような膜があるのはご存知か?
コレを瞬膜とか第三眼瞼とかいうのですが、過去にこの瞬膜に草の芒がひっかかっていた子がおりました。
しかし、私はビビリで、局所麻酔ではココをめくり上げられないので(動物が動いて眼をピンセットで突く可能性があります)、抗生剤の点眼を何回もさしてもらうことに!
私、最近、ヒアルロン酸や自家血清点眼液をあまり使っておりません。眼科専門医の先生にしかられるかもしれないですが、ヒアルロン酸の点眼さす時間があるなら、抗生剤の内服と点眼を頻回さした方がいいような気が・・・する。←個人の感想です、文句を言ってこないように!
これで、もし反応が悪ければ、全身麻酔下で瞬膜内の異物のチェックと瞬膜フラップ手術も検討しよう!ということに〜!!!点眼だけで治ってね〜っお願い。
そして、一週間がたち・・・・・。
角膜の損傷も悪化はしておりませんが、なんか変?
一週間たっても、眼瞼痙攣がとまりません!
わたしの背中の冷や汗も止まりません!汗
・・・・・・・?
ダ、ダメだこりゃっ!
↑長介風をイメージくらはい
「あの〜、飼い主様、いまいち反応が悪いので、作戦変更のプランBでお願いしたいのですが・・・?」ダメですか?
普通の飼い主様ならこの時点で、不信感で転院されていたかもしれませんが、飼い主様のご主人はなんと獣医さんでして…話が早い!
私のヘタクソな説明に納得していただき、後日に飼い主様立ち会いのもとで、全身麻酔をかけることに同意していただけました!
そして、麻酔も順調に導入ができて、さて精査に入ります。
私の予想では、原因は以前に経験した草の芒(のぎ)であろうと・・・。
芒がでてこなくても、瞬膜フラップ手術でなんとかなるさっ!ドキドキ
震える手でピンセットを持ち、問題の瞬膜をつまみ上げます・・・・・・・・・・?
???・・・・・・・?????ん?
この、白くてたくさんクネクネしてるのは?
きゃ〜っ なんじゃこら〜!!!
↓閲覧注意ネ!
_| ̄|○、;'.・ オ”ヴオ”オ”オ”オオオエ〜ッ!
これ、東洋眼虫やんけ〜っ!!!
以前、当ブログでも登場しております、東洋眼虫(寄生虫)ですネ。
こんなの、都会じゃお目にかかることはないと思われますが。絶対ないとも言えませぬ!
クララちゃんを苦しめていた犯人はコイツで確定です。
コイツが寄生していることで、角膜を刺激していたのか、はたまたカユくてクララちゃんが,眼をゴシゴシしたのかは分かりませんが・・・。
果たしてこれで終わるのか?
ん、まてよ、
反対の右目は、症状がないけども・・・。
念のため、チェックしておくか・・・。
こっちも、うじゃうじゃ!
(||゚Д゚)ヒィィィ!
でも、これで本当に終わりが見えてきました。
両眼とも、虫が完全に摘出されたのを確認後、
損傷のあった左眼を瞬膜フラップ術(面倒・割愛)を行い。
数週間後に抜糸いたします!
その後、抜糸をした後の画像がこちら。
冒頭の写真と同じですね。
とてもカワユイ子です!
さて、クララちゃんはその後は再発なしに生活しているそうですが、問題は東洋眼虫が、再び寄生しないのか?
というコトです。
東洋眼虫は、メマトイと呼ばれるショウジョウバエの仲間が犬猫の涙を吸うときに伝播されます。
実は、クララちゃんの飼い主様のご実家は、山の方にあるとか…。山じゃなかったら失礼!!
しかしながら、最新のフィラリア・ノミ・マダニ予防薬に、この東洋眼虫に効果がありそうな種類のものも、発売されております。←承認は取れてません、私に怒ってこないように!
来年からは、クララちゃんこの薬で、フィラリア予防していただこうと思っとりまス!
ちなみに、この東洋眼虫、ヒトへの寄生例も多々報告アリです。
特に徳島県のみなさん、ちょっと山際に入ると、顔のまわりにしつこくまとわりつく小型のハエにはご注意ね!←私は何度も経験アリデス。
でも私自身は、寄生されたことは一度も無し!
でも、最近、お目目がちょっぴりカユい気が・・・。
信じるか信じないかは、アナタ次第。ビシッ!
それでは、アディオス!
また来年〜、よいお年を〜っ 笑
終
またやってもうた…とても獣医らしからぬ内容に…。夜のチカラ、恐るべし!