ずいぶん、ブログの更新が止まっておりましたが,忙しくてついつい…
台風19号の影響で時間ができたので、早速いきますね!
ちなみに、当院の周辺は特に被害はありませんでしたが、皆さんは大丈夫でしたか?
上の写真はパピオンの子、めちゃくちゃ童顔でカワイイデスネ。
しかし、このお顔はこの子の本当の素顔ではありません。
数ヶ月まえの症例ですが、そのお話を・・・。
そもそも、この子は当院よりチョット離れた山の方に住んでおります。
お父さんが、畑(だったかな)に放していて帰ってきたら、元気がなくなっていたとのこと…。
そして、顔が腫れていると言う事で、一度、昼間に他院で診察を受けたらしいのですが、・・・夜になってもだんだんと元気がなくなってきたと言う事で、夜間に当院に来られました。
この子の歯は歯石による歯周病がひどく、ザッと診ただけで上下の前臼歯、後臼歯ともに、抜歯が必要な予感・・・。
最初に受診した病院では、『歯の根尖周囲病巣による顔の腫れ』と診断され、抗生剤を処方されておりました。
私も最初は、歯からかな?と思いましたが、チョットちがう気が・・・
普段のこの子のお顔を知りませんが,あきらかにスヌーピーちゃんのように顔が腫れ(コレはコレでとてもカワユイ♡)、重度のアレルギー反応のようにも見えるし、根尖周囲病巣による腫れにも見えます.
そして、炎症のある歯ぐきの至るところから、じわじわと出血が・・・?
な,なんじゃコリャ???
よ〜く見ると、右の唇のを中心として、発赤があるのがわかりますね。
ここからも、じわじわと出血が…
こっちの写真は入院中の写真。
こちらの方が解りやすいデスネ!
私、「あの〜飼い主さま、」
「アナタノ、マチニハ、マムシガデマスカ?」
飼い主様 「イエース!!」
私、「飼い主様,落ち着いて聞いて下さい…」
「マムシに咬まれていると、 思います, たぶん・・・デスガ…」
ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
詳しくお話を聞くと、飼い主さまの住むあたりでは、マムシを捕まえて、焼酎に漬けたりする習慣があるとか、ないとか・・・(それ飲むのデスカ?罰ゲームじゃ…)
とゆうことは、マムシがちらほらいるような大自然に住まわれているのですネ。
今回、この子がマムシに咬まれる現場をだれも見ていないので,確定ではありませんが、ほぼ間違いないと思われます。
徳島で開業して、これまた都会ではお目にかからない症例にマムシがありました。
(どんな、田舎やねん!)
多い年で年に1〜2回くらいマムシに咬まれた犬を診察することがあります。
そういえば、猫は一度も診察したことはないですね。なぜでしょう?見落とし?
マムシに咬まれると、咬まれた箇所を中心に腫れがでてきます。そして咬まれた箇所から出血が少々続くのが多いかな?重篤なアレルギー反応のようなものは今までみたこともないですが、抗アレルギー薬と抗生剤でほとんど元気になっていく子が多いのですが・・・しかし、今までの症例は中型犬以上の子だったはず!!!
この子はかなり元気がありません。小型犬ははじめてだっ!!
念のため、血液検査をしてみたら、これまたビックリ!
血小板数の低下、CRP、白血球数、肝酵素の上昇、そして、腎臓の機能の悪化がひどい Σ(゚Д゚;)アラマッ
こりゃヤバイ、特に腎不全になりそうだ〜っ!
ということで、緊急入院。
ほっといたら、たぶん亡くなっていたと思われマス!!!!
数日、入院していただきましたが、歯ぐきと咬まれた箇所の出血がなかなか止まりませんでした。
マムシに咬まれても、今まではそんなに苦労した症例はありませんせしたが、改めます。体重が小さな小型犬は特に注意ですね!
私の経験では、徳島だと初夏から10月くらいにマムシによる咬傷が多いですね
ちなみに、わたくし、小学校の帰りにヘビ(シマヘビ)を見つけてはシッポをつかんでグルングルンと回して遠くへ投げ飛ばすという残酷な行為をしておりました。
なぜ、あんなかわいそうなことができたのか?いまでは信じられません。
ヘビちゃんも死んではいなかったと思いますがゴメンナサイね!
最後になりますが、チョット不謹慎ではありますが、
あまりにこの腫れたお顔が可愛くて・・・♡
一昔前に流行った魚眼レンズで撮影したわけではありません(笑)
元気になってよかったね! 終