1ヶ月くらい前の症例です。この写真なんだかわかりますか?
ワンちゃんの眼の下に白い糸状の物体が…
そう、これは寄生虫です
それも、動物の眼に寄生するヤツです
この寄生虫の名前は『東洋眼虫』といいます
家畜や、犬猫などの結膜や、瞬膜の裏に寄生する小さな線虫類です
ショウジョウバエの一種の“メマトイ”(眼にまとわりつく虫という意味?)が動物の涙を吸うときにうつされます
まれに・・・・人間での報告もあります
Σ(||゜Д゜) ガーン
この虫がいるとどうなのかというと、眼に炎症がおきて、充血や目ヤニなどが増えてきます。また寄生された動物が眼をコスリすぎて角膜などに損傷(とても危険)を引き起こしたりすることがあります
やっかいなことに、この虫の感染をみつけるには、眼の表面を泳いでいる虫体を私たちが、肉眼で確認するしか方法が無いことです。これがなかなか見つからない!!
実際、いつもの動物病院で眼が良くならないのでこっちに転院したいとおっしゃる飼い主様のワンちゃんが東洋眼虫が原因だった・・・。なんてのもありました。その逆に,当院でみつけられずに他院で発覚!!というパターンもあるかもしれません
治療は、点眼の麻酔をして直接、綿棒や、ピンセットなどで捕るか,注射も効きそうなものもあります(個人的に研究中)。しかし、イヌやネコも非協力的な子はなかなか捕らせてくれませんし、暴れるので,眼を傷つけないように虫だけ捕るのはけっこう大変です。それも虫がうじゃうじゃいる場合もあります
関東での修行時代はこんな気持ちの悪い症例は授業でしかきいたことがありませんでしたし、実際にはお目にかかることもありませんでした。ちなみに、関東の眼科の専門医に聞いても、あまり見ないないそうです
徳島県は、マダニが媒介するバベシア症や、いまだに多いフィラリア症など、寄生に関連のある病気が多いですね。まさに寄生虫王国!!
最後ですが
←この子から摘出した東洋眼虫です
またピンボケです。スンマセン
後日、飼い主様とお話をしたら、「まだ…何匹か眼の中を泳いでいます」とおっしゃっておりました。・・・ と、取り残しかっ!!
(`Д´) ムキー!! 終