本日、待ちに待った『ICU治療器』が当院に導入されました。
発注からかなりの時間がかかりました。
その間、ICUに入れてあげたかった子が数名おりました。
間に合わなくて残念です。
そもそも『動物用ICU』てなんぞや?という方も多いと思います.私もそうでした。
International Christian Universityの略の国際基督教大学のことではありません。
Intensive Care Unitの略。つまり集中治療室のこと。当たり前だ!ゴメンナサイ
じゃあ動物用の集中治療室って何なのさ?となる訳です。
「獣医はビジネスだ!」の小栗旬が演じる『獣医ドリトル』の診療所にも他社製の『動物用ICU』が映っておりました。あちらの方がメカニカルで見栄えはいいのですが性能ではこっちの方が・・・・・私は好きです。
『動物用ICU』はケージ内の酸素、湿度、温度をその子の病態に合わせて変えてあげられる装置といっても良いのではないかと思います。
じゃあそんなにたいしたことの無いじゃないってなりませんか?自分でも、これを書いてて思ってしまいます。
そうです!!いままで『動物用ICU』なくてもやってこれました。
肺水腫には酸素のチューブをケージに引っぱりこみ密閉して(酸素テントですね)。
麻酔後の体温の低下時には遠赤外線のマットや、ドライヤー、電気ストーブをケージのまえに設置するなどの荒技をくり出し。
はたまた熱中症ではまず冷却の処置が終了後→入院室のクーラーを最大。さらにアイスノンの登場!!
すべて間違いではありません。それでよかったのです。
いつも賢明に治療をしてきました。
ベストな治療だったと今でも思います。
飼い主さんからみればちょっとスマートさにかける治療と映ったかも・・・。
重症な子には、朝まででケージの前に布団と枕と(あとうちのネコ)を用意してにらめっこなんてのもよくやります。 (注)ネコとにらめっこではありません。
あっ 入院室のほかの動物たちは、「なんか急に暑くなってきたワン〜」とか「ちょっとエアコンききすぎニャ〜なんとかならないの〜」なんて思っていたかもしれません。ごめんなさい。
動物用ICUを今回導入する目的は酸素の濃度を細かく設定できるというのが一番心引かれました。
ありがたいことです。
過酸素は有害です。
今回導入した動物用ICUは、3部屋がすべて独立して細かく制御でき、動物たちが回復するのに最適な環境がつくりだせるのは心強いし、状態の悪い子にとってこの空間は絶対に楽に過ごせる場所だと思います。
ただし、ある程度元気のある子にとってはお家が天国だと断言します!!キッパリ
私たちは、みなさんの家族(ペット)が1時間でも早くお家に帰れるようにがんばります。
ちなみにこんな設備があっても、入院患者を見守ってやる獣医やスタッフが夜中もついていてあげないのではダメ動物病院だと思います。
楽をせずに今まで通り重篤な子は、朝までがんばるぞ〜。ニャ〜ッ(うちのネコ)。終